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【自分と世界の繋がり5】〜食べ物に潜む危険「遺伝子組み換え作物」編〜



1. 日常に溶け込む遺伝子組み換え


 みなさんはお店で買う食べ物、もしくは家にある食材の成分表や原材料を見たことがありますか??


 「遺伝子組み換え」という言葉に馴染みがない人も、成分表や原材料名を見ると遺伝子組み換え・GMOという言葉を見つけられるかもしれません。

毎日食べているお米や、楽しみにしているお菓子の原料は、どのように栽培された物でしょうか。豚肉や牛肉になる動物たちはどんな穀物を食べているのでしょうか。


 テレビのニュースや新聞記事はもちろん、いろいろなところでたびたび取り上げられるGM(遺伝子組み換え)について、この記事をきっかけに考えてみましょう!


2. 遺伝子組み換えってどんなもの?


 遺伝子組み換え(以下GM)とは、Aの優れた遺伝子を取り出し、Bの遺伝子に組み込むことでより優れたB’を作り出す技術のことです。この技術を利用して作り出されるのが「遺伝子組み換え作物(以下GMO)」であり、この便利な技術に賛否が別れる要因にもなっています。ちなみに、同時に語られることの多い技術「ゲノム編集」は、Bより優れたB’を作り出すための環境を整備する、あくまで変異を誘発する手法です。


 GMOのメリットは、作物の成長の速さ・量・質が一定に保たれる、もしくは収穫状況を予測できるという点にあります。対してデメリットは、安全性に不安があるという点です。


 GMOを開発している会社はモンサントとデュポンの2社のみです。モンサント社は、殺虫作用のある除草剤も販売しています。

 ホームセンターなどで「ラウンドアップ」という商品をみたことはありませんか?

ラウンドアップはまさにモンサント社の生産するとても強力な除草剤です。


 GMOが先ほどのメリットを実現するためには、害虫や雑草に成長を妨害されるわけにはいきません!そこで、GM農業ではラウンドアップを使用します。しかし、しばらくするとラウンドアップに耐性を持った害虫や雑草に進化します。すると、さらに強い除草剤が販売されるようになります。しかしそれにも耐性をつけた害虫が現れ、どんどんラウンドアップが強力になっていきます。


 作物を介して植物や虫にとってここまで強力な毒を摂取することは、私たち人間や他の動物にとって問題ないことなのでしょうか。


3. 体への影響


 GMOを摂取したことによる影響について、具体的な報告は公開されていません。しかし、フランスの大学で行われた実験では、以下のような結果が出ています。


 実験は、一部のマウスにモンサント社のGMトウモロコシ(栽培過程でラウンドアップを使用したもの)を与え続け、もう一方のマウスにはオーガニックのトウモロコシを与えるという内容です。結果は、GMトウモロコシを摂取し続けたマウスは高確率で不調が現れました。


 24日経過時点でのメスの癌発症率は50〜80%、オスは皮膚や肝臓に腫瘍がみられたことに加え、呼吸器にも異常が現れました。


 この実験は、初めてGMOと除草剤による長期的な健康被害が政府や業界よりも徹底的に調査されたとして、多くの国で遺伝子組み換え作物の輸入や栽培の規制が見直されるきっかけになりました。


4. GMO栽培の現状


 GMOは、貧困層にあたる農家が栽培を始めることが多いです。熱心な種子の売り込みから始まり、調査員が農地の作物を無断で採取・鑑定し、GMOが含まれていると契約違反として罰が与えられます。オーガニック農家の近隣でGMOが栽培されると、虫や風によってGM種子が運ばれ、気づかぬうちに混ざってしまうことがよくあります。そのため多くの農家がこの調査に悩まされています。また、GMOは種子の保存が禁止されているため、契約を結んでラウンドアップをはじめとする農薬と共に定期的に種子を購入しなくてはなりません。


 GMO栽培の過程で多くの農薬を使用することを紹介してきましたが、毎日農地で働き、農薬を扱っている農家の人々は、さまざまな病気を発症することがわかっています。しかし、その病気の治療薬さえもモンサント社が販売しているため、GMOに関わるどんなことでもこの会社の利益に繋がってしまう仕組みができています。


 インドの綿花農家では、2019年に農薬を飲んで自殺する事例がとても多く、そのほとんどがGMOをめぐる経営難が原因でした。


5. 私たちがすべきこと


 日本政府の定めているGMO表記が必要な基準は、EUが定めているものと比べて全体的に緩いです。

 日本でも直接摂取することは許可されていないため、例えば納豆の大豆がGMOであることはありません。しかし、納豆についてくる醤油の原料となる大豆は高確率でGMOだと言われています。他にも、スナック菓子に使用されるコーンスターチのトウモロコシ、使用される油の原料にもGMOが使われていることが多いです。しかし、日本では「任意表記」であるため表記されていないことがほとんどです。


 では、目視では見つけることのできないGMOを摂取したくない場合は、どうしたらいいのでしょうか?

最も簡単で実践しやすものは、冒頭で紹介した成分表や原材料名をみてみることです!


「GMO対策済」 「遺伝子組み換えでない」


 これらの記載がある商品にはGMOが含まれていることはなく、知らず知らずのうちに摂取してしまうリスクも防ぐことができます。


 今回は、生きていくために必要不可欠な「食べ物」に潜んでいるGMOという危険についてご紹介しました。


 遺伝子組み換え作物が浸透しつつある日本の現状に、どのような印象を持ちますか?読者のみなさまのコメントで記事が完成します > < ぜひコメントで教えてください!



遺伝子組み換えについて知りたい方▷映画「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」公式サイト:https://www.uplink.co.jp/gmo/

記事中の実験について具体的に知りたい方▷https://www.afpbb.com/articles/-/2902178



記事の感想や意見も大歓迎です。取り上げて欲しい記事の案も大募集中です!!


それでは、次回の記事もお楽しみに!


執筆者:FEST TOKYO 11期国内フォトワーク事業部/Co-In班PL 鶴田 明寧



参照:映画「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」

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