【自分と世界の繋がり】~あなたの服の「トゥルー・コスト」編~
- 国内 フォト
- 2021年4月28日
- 読了時間: 4分

【目次】
1. あなたの生活を支えている人は、誰ですか?
突然ですが、質問があります!
「あなたの生活は、誰のおかげで成立していますか?」
家族?友人の◯◯さん??恋人の△△くん???
このように、いつも近くで支えてくれている人たちを思い浮かべた人が多いのではないでしょうか。たしかに、みんな自分にとってとても大切な存在ですよね。(こう考えると、自分って幸せものだなって思いますよね:))
では、今朝口にした食品が誰によって作られたのか、今身につけている衣服がどこから来たのかを気にした人はどれだけいるでしょうか。
2021年に生きる私たちは、60年前と比べて、身の回りにある一つ一つの物のルーツをたどることが非常に困難な時代にいます。しかし私は、このグローバル化した社会に身を置いているからこそ、自分の生活がどのような人たちの、どのような営みの上で成り立っているのかを知ることは、一「地球人」としての義務なのではないかと思うのです。(K・ボールディングのいう宇宙船地球号の乗組員です!)
そこで今回は、衣料品に焦点を当て、自分の暮らしと世界の繋がりを考えてみたいと思います。
2. あなたの服の「トゥルー・コスト」
みなさん、ファストファッションという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。ある場合は、どのような場面で耳にしましたか?
ファストファッションは「最新の流行を取り入れながら価格を低く抑えた衣料品を、短いサイクルでグローバルに大量生産し、販売するビジネスやブランド(小池 2018)」と定義されています。まさに現代社会が生んだファッション・ビジネスですね。若者や中間層に大変人気です。この記事をご覧頂いている方の中にも、「ファストファッションにはいつもお世話になっていまして。」という方、多いのではないでしょうか。(私も例にもれずです…はい。。。)
しかし、このファストファッションは非常に多くの問題を抱えています。

【撮影:FEST TOKYO国内フォトワーク事業部】
大量生産・大量廃棄による環境への負荷、原料の製造過程での農薬、殺虫剤、化学薬品の使用から引き起こる環境破壊、低コストで生産可能なスウェットショップ(奴隷工場)の劣悪な労働環境…これらはほんの一例に過ぎません。特に、先進国のリード・ファーム(中核企業)が途上国に所有する工場環境の熾烈さは、想像を絶するものだと思います。
2013年4月24日、バングラデシュ、ダッカ近郊の縫製工場「ラナ・プラザ」が崩落し、死者1,134人、負傷者2,500人以上になった大惨事が、世界中に大きな衝撃を与えたことは、比較的記憶に新しいことでしょう。
アンドリュー・モーガン監督の『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』は、そんなファッション業界の闇に迫った有名なドキュメンタリー映画です。(アマゾンプライムビデオで観れます!探してみてください。)タイトルにもある通り、この映画を観れば、ファストファッションの真のコストに気付くことができます。
3. 次のお買い物で・・・
店頭に並んだ商品たち。タグに表示された金額の裏に隠されているものは何なのか。
かわいいブラウスを手に取るとき、かっこいいスキニーパンツを試着するとき、環境破壊や化学薬品による人体への健康被害、工場労働者の暮らしなど、その商品が今自分のもとに来るまでの「ストーリー」に思いを向ける人は、いったいどれだけいるでしょうか。
この記事を読んでいただいたあなたが次に洋服を買いに行くとき、この記事を一瞬でも思い出してもらえますように…!
[参考]
内村理奈 「エシカル・ファッションにみる今日的課題」『季刊家計経済研究』, 2012年, No.95, 38頁-45頁
小池洋一 「倫理的ファッションと持続可能な社会-ヴェージャ・フェアトレード社の挑戦―」『立命館経済学』, 2018年, 67巻, 第1号, 23頁-42頁
平川すみ子 「ファッションビジネスにおける事業性と社会性の両立-持続可能な開発のための“商品価値”創造は可能か-」『21世紀社会デザイン研究』, 2011年, No.10, 171頁-180頁
アンドリュー・モーガン ドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』,2015年
本日も最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます!
みなさんのリアクション次第で、今後【自分と世界の繋がり】シリーズとして、別のVer.の投稿もしてみたいと思っています!記事の感想や、あなたの意見、どんな些細なコメントでも大歓迎です:)お待ちしてます!
執筆者:FEST TOKYO 11期国内フォトワーク事業部 高橋日向子


どうしても学生だと、「エシカルファッション」に関心は持っても経済的に実践するのが難しい現状がありますよね、、、。常々思うことです。
パタゴニアは商品寿命を考え、ロゴを廃止するようです。先の先を言っていて驚きました。https://sustainablejapan.jp/2021/04/30/patagonia-logo-products/61453?amp&__twitter_impression=true