いつ、どうして、「国際協力」が始まったのか、説明できますか?
- 国内 フォト
- 2021年7月21日
- 読了時間: 4分
みなさんこんにちは:)
早速ですが、一つ問題です!!
あなたが小学5年生の子に、
「ねえねえ、国際協力っていつ始まったの?なんで始まったの???」
と質問されたとします。
どうでしょう。
この素朴な問いに、瞬時に返答することはできますか?
普段何気なく使っている「国際協力」という言葉。
特に、この記事に足を運んでくれているそこのあなた(!)は、日常的にこの漢字4文字が頭の中にあるのではないでしょうか。
この記事を通して
、現代社会で一般的に「国際協力」「開発援助」と呼ばれる取り組みが、いつ、どうして始まったのか、
「国際協力」の基本の”キ”を一緒にみていきましょう!!

【目次】
1.「国際協力」「開発援助」はいつ始まった?
Q. 現代社会で一般的に「国際協力」「開発援助」と呼ばれる取り組みは、いつ始まったのでしょうか?
①:1648年~(ウェストファリア体制成立後)
②:1815年~(ウィーン体制成立後)
③:1917年~(第一次世界大戦後)
④:1945年~(第二次世界大戦後)
A. ④(第二次世界大戦後)
これらの取り組みは第二次世界大戦後の世界で発展してきたものです。
20世紀以前の国際社会にも、「国際協力」「開発援助」に相当する取り組みは行われていたはずですが、政策として認識されるようになったのは、この頃だそうです。
「え?そうなの??!!」
「いやいや、そんなの知ってたぜ~!」
みなさんの反応はどうでしょうか。私は最初にこの歴史を知った時、「国際協力」や「開発援助」が比較的新しい取り組みとも捉えられることに驚きました。
日本のODAの支柱的役割の一つ、JICAも1974年8月に設立されたものですね。(2003年10月に独立行政法人国際協力機構として、現在の形になりました。)
2.「国際協力」「開発援助」はどうして始まった?
Q. では、なぜ「国際協力」「開発援助」が政策として実施されるようになったのでしょうか?
こちらはいきなりアンサーにうつりますね。(選択肢が思い浮かびませんでした^^;)
A. 第二次世界大戦後に、脱植民地化が進展し(①)、国家の数が増えた(②)ことで、国家間の格差が明確になり(③)、低開発の問題を解決する必要がでてきた(④)から。
ごめんなさい、わかりやすくはありませんね。。。
これからパーツパーツで簡単に説明を加えていきます!
①
第二次世界大戦後、世界中で脱植民地化が進みました。これらの旧植民地の多くは、イギリスやフランスをはじめとした、帝国主義思想を掲げるヨーロッパ諸国から、支配を受けていました。
しかし彼らは、第一次世界大戦後に旧米大統領ウッドロウ・ウィルソンが提唱した「民族自決」を、帝国主義の批判のために援用し、自らの独立を達成していきました。
②
その結果、何が起きたのか?!地球上の国家の数が増えたのです。(まあ、当たり前ですが笑)
19世紀以前の国際社会では、「バランス・オブ・パワー(勢力均衡)」システムのもと、「大国」が世界を動かしていました。しかし、20世紀以降の国際社会は違います。「国家主権」を基本原則として、その「主権」の平等が重視されています(参照:国連憲章第二条第一項「この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている」)。
③
しかし、ここで困ったことが。
建前上、主権は平等です。しかし、実際に国家間に平等な関係があると言えるのか、という問題です。
特に、脱植民地化を経て独立した国々の政治体制は”脆弱”で、「国家」としての責任を遂行できていないケースも少なくありません。「破綻国家」と呼ばれるものもありますね。
④
中でも問題となるのは、社会や経済など、国民の生活に即するものです。これらは「低開発」の問題として考えられるようになりました。
いくら主権平等の大原則があれども、現実に蔓延る、生命維持に直結する諸問題を、スルーはできないということですね。
そこで、主権平等から逸脱しない範囲で、開発をしていくというのが現在の「国際協力」「開発援助」というものになっています。
さて、今回は(とっても簡単にですが)、現代社会で言われる「国際協力」「開発援助」の歴史のスタートをみてみました。
これらの取り組みは、実体として存在する国際社会(国家間の格差あり)を、あるべき国際社会の姿(真の主権平等、自決権あり)へ近づけていくチャレンジだ、と受け取ることもできそうですね。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます:)
今回の説明では、小学5年生には難解かもしれませんね^^;
みなさんはどのような言葉で、「国際協力」のはじまりについて説明しようと思いますか?コメントで教えてください!
記事の感想や意見も大歓迎です。取り上げて欲しい記事の案も大募集中です!!
それでは、次回の記事もお楽しみに~♫
執筆者:FEST TOKYO 11期国内フォトワーク事業部/渉外部長 高橋日向子
[参考文献:篠田英朗『国際社会の秩序』,(2021),東京大学出版会]


海外ボランティア活動に興味を持っている人の多くは国際協力についてミクロ的な視点ばかりで考えがちな気がします。しかしこういう大きな視点で見ることも、ボランティアがどんな役割や意味を担っているのかを知るうえでは大事な気がします!