日本は恵まれている!?改めて考えよう世界の教育格差と貧困問題
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- 2021年8月25日
- 読了時間: 5分

1.世界の教育格差問題
皆さんは,世界の教育問題について考えたことがありますか?
日本では、当たり前のように学校に通うことができますが、これが当たり前の習慣になっているのはとても幸せなことなのです‼
世界では貧困や水・衛生、環境問題など、その国ごとにそれぞれ何らかの問題を抱えているのが現状です。今回のテーマである「教育格差」は発展途上国において、切っても切り離せない深刻な問題なのです。このことは、皆さんはどれだけ知っているでしょうか。
教育格差は世界中のみならず日本でも起こっている問題なのです。
2.教育格差ってなんだろう?
そもそも教育格差って何でしょうか?
教育格差は、「生まれ育った環境により受けることのできる教育に格差が生じること」を
指します。
日本では、学校だけでなく、塾や習い事など学校外での教育を受ける機会はとても多くあります。しかし、これらの教育を受けるには少なからずお金が必要となります。世界の貧困層の家庭の子どもたちは、学校外の習い事に通うことができず、教育機会が極端に少ない現状に置かれています。また、このままの状況が続くと10年後にはその数が13億人を超えてしまうと言われています。
3.学校にいけない子どもたちの現状
2020年度ユニセフの報告によると、世界で学校に通えない子ども(6~14歳)の人数は
約1億2,100万人を上回るとされています(初等教育は約6100万人)。
学校に通えないということは、文字の読み書きを習う機会がないまま大人になるため、識字率が低い傾向にあります。文字の読み書きができない人は世界で約7億5000万人にも登ります。世界で15歳以上の6人に1人という高い割合です。
子どもたちが学校に行けない原因には、貧困や紛争、学校が近くにない、先生がいないといったことが挙げられる他、女性は早く結婚して家事や育児を担当するため、女性には教育は必要ないといった慣習が根強く残っている地域がまだあることも一つの背景にあります。
〈貧困を理由に教育を受けられない現状と負の連鎖〉
「貧困」の定義は、国や機関によって大きく異なります。一例として、世界銀行では
「国際貧困ライン(1日1.9ドル未満)」貧困層と定義しています。世界の約5人に1人が1日1.25ドル未満で生活をしていると言われています。
貧困な状況で生きていくために、子どもたちが教育を受けないまま、労働力として使われています。そして教育を受けられないまま大人になっても、年齢に見合った賃金をもらえず、低い賃金で働かなければならないのです。当然子どもがいれば貧困なままのため、その子どもも働かなければならない負の連鎖が続いていく現状です。苦しい状況のせいで子どもたちの未来を奪っている現状に対して今後も必要な支援を国同士で助けあって行っていくことが求められます。
皆さんは、ここまで貧困を理由に教育を受けられない子どもたちの現状を知ってどう感じたでしょうか?
世界の貧困問題、教育問題の話は何となく誰もが聞いたことがある話だと思います。日本でも、教育上での問題において男女での男女別定員差について議論を巻き起こすような事例がありました。世界では、その国ごとに教育問題を抱えているのは確かですが、貧困であることから教育を受ける自由を奪われている子どもたちがいることはあってはいけないことであり、これは早期に解決していかなければいけない問題だと私は思っています。
4.教育を受けられない子どもたちへ行われている支援
〈学校給食プログラム〉
学校給食があれば、こうした子どもたちの栄養状態や健康が改善されるだけでなく、出席率や成績向上にもつながります。給食は、家庭が子どもを毎日学校に通わせる強いきっかけにもなります。
国連WFPは2019年、59カ国の1,730万人に学校給食を提供をさらに65カ国しました。900万人の子どもたちが、国連WFPの支援を受けて国の事業として実施されている学校給食の提供を受けています。採取目標は各国が独自で学校給食を実施できるようにすることで、過去60年間で国連WFPが支援してきた100カ国以上の国うち、1990年以降に支援を終了し、現在独自で学校給食を実施している国の数は44にのぼっています。
給食の内容は朝食もしくは昼食、または両方の提供とさまざまです。完全な食事もあれば、ドライフルーツバーのような栄養価の高い軽食や、高カロリーの栄養強化ビスケットを配る場合もあります。また、親に子どもの登校を促すため、持ち帰り用の現金や食料を配布することもあります。
〈世界寺子屋運動〉
日本ユネスコ協会連盟の活動の一つで、寺子屋は年齢、宗教、性別にかかわらず、すべての人が公平に学べる場として、海外ではCommunity Learning Center (CLC) と呼ばれています。
コミュニティの拠点として、地域に暮らす人びと自身が運営し、基礎教育や職業訓練の場にとどまらず、図書館、地域のお祭り会場、互助やボランティア活動、文化交流拠点として、多様な役割を果たしているのです。
〈みんなの学校プロジェクト〉
独立行政法人国際協力機構・JICA(ジャイカ)による「みんなの学校プロジェクト」では、2004年から西アフリカを中心に教育開発を支援。子どもたちの学びの質やスピードを高めるため、教育現場を改善していくことに着目したものです。学校活動の計画づくりや実施に、教員・保護者・住民が自ら取り組めるように促し、地方行政と地域住民が協働して子どもの教育を支援するしくみを形成するこの支援モデルは、世界最貧国のひとつであるニジェールの全学校で普及しています。
5.改めて考えてみよう
今回、この記事を見て皆さんは世界で広がる教育格差の現状をどう受け止めましたか?
世界にはまだ受けたくても教育を受けられずに権利を奪われている子が多くいます。
このような現実は決してあってはいけないことです。わたしたち1人1人の勇気ある行動が今の状況を少しでも変える小さなきっかけとなるとはずです。
参照文献
国連WTPサイト:学校給食支援
https://ja.wfp.org/school-meals
進化する「みんなの学校」プロジェクト:アフリカ8ヵ国5万3000校に拡大、学校給食や手洗い啓発にも発展
https://www.jica.go.jp/topics/2021/20210428_01.html
公益社団法人日本ユネスコ協会 世界寺子屋運動について
https://www.unesco.or.jp/activities/terakoya/
世界で広がる教育格差。途上国の地域で深刻な理由と行われている支援
https://gooddo.jp/magazine/poverty/educational_inequality/3587/
執筆者:FEST TOKYO 11期国内フォトワーク事業部/Co-In班 上原周真


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